NI(Noise Index)は、AEC(Auto Exposure Control)に対して「この程度の画像ノイズに収まるようmAを自動で振ってください」と指示する目標ノイズ値だ。GEではNI、Siemensでは Quality Reference mAs、Canonでは SD、Philipsでは DRI と、呼び方は違えど「ノイズを目標に置いてmAsを動かす」という思想は共通している。
ところが現場では、
- 「整形は骨が見えればいいから NI 高めで」
- 「金属が入ってるから NI 下げて潰す」
- 「四肢は体幹のプロトコルをそのまま流用」
といった、"なんとなく"の運用がまかり通りやすい。NIは数字をいじれば素直にmAsが動くため、効いている感覚が得やすい。だが整形外科CTでは、被写体厚・骨皮質コントラスト・金属の有無・再構成(recon)強度が複雑に絡むため、NIを動かすだけでは目的の画質に届かない場面が非常に多い。
この記事は、NIの基礎をサラッと復習したうえで、整形外科領域でNIが裏切る瞬間と、その回避策を整理するものだ。あくまで現場感ベースなので、最終調整は各施設のファントム評価と読影医の好みに委ねてほしい。