手・指・足趾
AECは原則使わず、手動mAsで条件を固定します。被写体が小さく採光野を適切に覆えないためです。手指や足趾ではmAsの微調整よりも、関節中心の一致、指の重なり、側面の真正面性、骨折線が皮質重なりに隠れていないかの方が診断価値を左右します。
手関節・足関節・肘
AECは基本的に慎重です。厚み差が大きく、手動mAsが安定しやすい部位です。足関節では内果・外果の構造が重なりやすく、肘では屈曲・痛み・斜位で採光野がズレやすい。露光不足になると骨梁や関節面の評価が難しくなるため、「AECでなんとなく」より施設ごとの手動条件表を持っておく方が安定します。
膝関節
標準体型の膝AP/側面ではAECも使用可能です。被写体がある程度大きく、採光野を覆いやすいためです。ただしTKA後や強い骨硬化がある場合、インプラントが採光野に乗るとAECが露光を長引かせることがあります。関節裂隙評価ではノイズより角度・荷重・中心線が重要です。
股関節・骨盤
AECは使いやすい部位ですが、THA、CHS、髀内釘、骨盤内固定などがあるとAECの判断が狂うことがあります。特にTHA術後フォローでは金属ステムやカップが採光野に大きく乗るため、採光野選択を見直すか手動条件を検討します。術前計画では再現性が非常に重要です。
肩関節
正面APならAECを使えることがありますが、true APやスカプラYでは体幹を斜位にするため採光野が関心領域を代表しにくくなります。肩外傷では疼痛で動きやすく、AECで露光時間が読みにくくなるより手動で短時間に決める方が安全なことがあります。
頚椎・胸椎・腰椎
脊椎は四肢末梢と違い被写体が大きいためAECが有効に働きやすい領域です。ただし「AECなら安心」と思い込みやすい落とし穴があります。側面・斜位・下位頚椎・術後金属では注意が必要です。
| 脊椎撮影 |
AECで注意する点 |
| 頚椎AP |
採光野と頚椎の位置 |
| 頚椎側面 |
肩・下位頚椎・体厚差 |
| 胸椎AP |
肺野と骨性構造の濃度差 |
| 胸椎側面 |
上位/下位胸椎の濃度差 |
| 腰椎AP |
中心線と採光野の一致 |
| 腰椎側面 |
肥満・側弯・金属固定 |
| 腰椎斜位 |
厚み偏りと採光野ズレ |